おにクルについて

  • 施設概要
  • 開館までの歩み

施設の概要

施設名茨木市文化・子育て複合施設 おにクル
所在地大阪府茨木市駅前三丁目9番45号
建築面積4,328.83平米
延床面積19,715.22平米
芝生広場面積3,913.6平米
構造鉄骨コンクリート造(一部鉄骨造)
階数地上7階
高さ42.78メートル

施設の名称について

施設名称の「おにクル」は、令和3年(2021年)11月1日から12月15日まで実施した一般公募で応募のあった約2,700件の案の中から、市民投票を経て決定しました。

「おにクル」は、市内に住む当時6歳の男の子が命名。まちの様々なところで目にする鬼のキャラクター「いばらき童子」を見て、「怖い鬼さんも楽しそうで来たくなっちゃうところ」という意味を込めたそうです。

おにクルのキーワード

市民の皆さんと行政が対話し、価値観を共有しながら、これからの茨木のまちを想い、その想いを育んで誕生したおにクルには、大切にしたいキーワードがあります。

「育てる広場」
おにクルが立地する、市民会館跡地エリア活用のキーコンセプトは、市民の皆さんとの対話の中から紡ぎ出した「育てる広場」。
行政は、皆さんが使いたくなるような「場」を提供して、その「場」をどのように使い、変えていくかは、皆さんと一緒に考え、育くんでいく場にしたい。そんな想いを込めています。

「共創の中心地」
さまざまな機能が集まる複合施設おにクルは、市民や事業者、行政といった主体に関わらず、あらゆる機能や活動が交わり、相乗効果を発揮する新しい活動や場を生み出す「共創の中心地」です。

「実験場・見本市」
おにクルには、ホールや多目的室等のほかにも、エントランスや大屋根広場、芝生広場など活動に使えるオープンスペースが充実。単に活動するだけではなく、場所の特徴や雰囲気を活かして、今までとは違ったプログラムにチャレンジしてみる「実験場」、参加した人、見た人にとっての「見本市」として、新たな活動やプレイヤーを生み出す役割を果たします。

「日々何かが起こり、誰かと出会う」
7階建てのおにクルには、各フロアを貫く大きな吹き抜けと、それを回遊するようにつなぐ「縦の道」があります。
この「縦の道」によってさまざまな機能が融け合い、音や空気感でいろんな場所でいろんなことが起きているのを感じることができるおにクルは、“日々何かが起こり、誰かと出会う”場です。

建築的な特徴

JR茨木駅と阪急茨木市駅の両駅を結ぶ「東西軸」と、元茨木川緑地の豊かな自然が広がる「南北軸」が交わっている、まちの中心部に誕生した「おにクル」は、新たなまちのシンボルとして、建築面でも特徴的な施設となっています。

「立体的な公園」
元茨木川緑地の豊かな緑と、おにクルの芝生広場や建物のテラスに施された樹木が滑らかに繋がっていることから、ランドスケープと建築が相互に浸透し合う「立体的な公園」のような公共空間になっています。

施設のマーク、ロゴについて

マーク
力強い鬼の目と広がりを感じられるマークとなっています。鬼の目とツノ、7層のフロアを貫く吹き抜け空間“縦の道”を俯瞰した様子を螺旋で表現しており、おにクルが本市のシンボルとして大きな存在になるようにとの想いが込められています。

ロゴ
【和文ロゴ】筆文字ベースの「おに」と、ゴシック体ベースの「クル」を組み合わせて、丸みのある造形と直線的な造形を対比させることにより、「おにクル」という言葉が持つ、独特で親しみがある響きを表現しています。
【欧文ロゴ】直線と正円を主とした骨格をベースにしながらも、「N」「U」「R」のエッジに表現を持たせることで、和文との統一感や、ロゴ全体としてのリズム感を生み出しています。

おにクルロゴマークの使用については茨木市ホームページをご覧ください。

メッセージ

“ 「日々何かが起こり、誰かと出会う」場に ”

「おにクル」は、建物の中を公園のように自由に歩き回っていろいろな使い方ができるようになっています。各階の機能は“縦の道”によって互いに融け合い、吹き抜けを移動するときに目にしたことが気になれば、ちょっと寄ってみることができます。
例えば、こども支援センターに来たついでに図書館に寄ることで、同じ興味を持つ人に出会うかもしれません。そのようなことが毎日のように起こると、すごくおもしろい場所になると思います。

伊東豊雄建築設計事務所 代表 伊東豊雄

※「おにクル」は伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店による設計

“ 茨木ならではの豊かさや幸せを育む場に ”

JR茨木駅と阪急茨木市駅を結ぶ東西軸、元茨木川緑地による南北軸が交わる、まさにまちの真ん中に誕生する「おにクル」は、茨木の新たなランドマークとなる施設です。あえてさまざまな機能を詰め込んだことで、ほかのまちにはない特徴的な魅力が備わりました。「おにクル」は、多くの皆さんに使っていただくことで生まれる「人やコトとの出会い」によって成長し、「茨木らしさ」をどんどん育む場になります。

茨木市長 福岡洋一

開館記念映像

2023年11月26日にオープンした文化・子育て複合施設「おにクル」。開館を記念して2本の動画を公開しています。
設計者の意図や思いをはじめ、特徴や使い方など、施設内外を詳細に紹介する動画と、市民の皆様と作り上げてきた8年間の軌跡をまとめた動画です。
おにクルの中はどうなっているのか、どのようにしておにクルが出来上がったのか、ぜひご覧ください。

記念映像「日々何かが起こり 誰かと出会う」
記念映像「育てる広場」

アート作品について

おはなしのいえ

デザイン監修:井上 直久氏(画家)
展示場所:2階 フロアガイド

作品について詳しくみる

おにクル設計段階の《おはなしのいえ》は、ガラス張りのシンプルなデザインでした。検討を進める中で、もっとこどもが楽しめてデザイン性がある施設にしようと、茨木市在住の井上直久氏にデザイン監修を依頼することに。こどもたちが興味をひかれ、思わず近づきたくなるような姿になった《おはなしのいえ》では、クラウドファンディングでいただいたご寄附を活用して購入した、大型の絵本や紙芝居などを読むことができます。

【井上氏コメント】
伊東豊雄さんのスタイリッシュな建築に、私がデザインした曲線的な《おはなしのいえ》がマッチしてくれて嬉しいです。物語との出会いの場、多くのこどもたちに来て欲しいですね。

ワンダーウォール

ディレクション:山城 大督氏(美術家・映像作家)
展示場所:2階 子育てフリースペース わっくる フロアガイド

作品について詳しくみる

子育てフリースペースわっくるの壁面に投影する〈ふれる〉映像作品《ワンダー・ウォール》を、茨木市出身の美術家・映像作家である山城大督氏(京都芸術大学)に制作いただきました。
ゆるやかに動く映像とオブジェクトの組み合わせにより、ざまざまな変化を見せるこの作品は、見る人の興味をひき、子どもたちの感性を刺激します。
Credit
ディレクション:山城大督
ビジュアルプログラミング:玉置賢太郎(The Projected Image Laboratory)
協力:The Projected Image Laboratory、Twelve Inc.

【山城氏コメント】
茨木市の新たなランドマークとなり、さまざまな世代が集い出会う「おにクル」のために作品を制作することができて嬉しく思います。これからも、「おにクル」で色んなワクワクするような企画を実現していきたいです。

輪唱の〇(わ)

制作:つちや あゆみ氏(美術・木工作家)
展示場所:2階 子育てフリースペース わっくる フロアガイド

作品について詳しくみる

おにクルの寄附メニュー第5弾「遊び」を育てるプロジェクトでいただいたご寄附を基に、HUB-IBARAKI ART COMPETITIONや茨木フェスティバルなど市内のイベントで作品展示をしてきた、つちや氏に楽器を制作していただきました。
けん盤の音板と音消し板を並べて自由に旋律を作れる木の楽器《輪唱の〇》は、ボールを転がすと音楽が流れる、小さなこどもも楽しめるインクルーシブな楽器となっています。

【つちや氏コメント】
気軽に身近に、茨木らしさが育っていくことを願って制作した、誰もが気軽に真剣に、作曲・演奏・輪唱できる作品です。年中おにクルに音楽があふれますように!

シップス・キャット

ディレクション:ヤノベ ケンジ氏(現代美術作家)
展示場所:5階 おにクルぶっくぱーく フロアガイド

作品について詳しくみる

茨木市出身の現代美術作家、ヤノベケンジ氏がディレクターを務める京都芸術大学「ウルトラファクトリー」とのコラボレーションで実現したシップス・キャットの展示。
開館からの1年間、《おにクル×シップス・キャットプロジェクト》として、ヤノベ氏、そしてウルトラファクトリーの学生たちと市各課が連携し、おにクルを舞台にアートに関する様々な企画を展開します。

【ヤノベ氏コメント】
ネズミ退治の習性から大航海時代に船に乗せられ世界を冒険した猫をモチーフにした彫刻「シップス・キャット」。1年間「おにクル」を守るキャラクターとして活躍します。《おにクル×シップス・キャットプロジェクト》今後の展開をお楽しみに!

CyCle/サイクル

アートワーク:名和 晃平氏(彫刻家)
展示場所:南側壁面

作品について詳しくみる

ホール舞台で様々な演出を行うために、バトンや照明などを格納するフライタワー。施設の魅力向上に向けて、茨木高校出身の彫刻家・名和晃平氏がアートワーク《Cycle》を手掛けました。
生命とエネルギーの循環をテーマに、月と地球、植物の緑と太陽の関係を抽象化して物語るこの作品は、薄暗くなると円環の内外に配置されたLED 照明のプログラムが作動し、オーロラや月食、日食の現象や天体の運行を想起させる光の表現で演出されます。

【名和氏コメント】
持続可能性のビジョンの共有に向けて、この《サイクル》が現代を生きる人々の新しい感性をひらき、それらを繋ぐ「環」になることを期待しています。


平成27年(2015年)12月、長年にわたり本市の文化芸術活動を支えてきた茨木市市民会館が、経年劣化や耐震性、バリアフリーなどの課題から閉館を迎えました。その後、茨木市では、市民会館の跡地に加え、隣接する福祉文化会館や中央公園を含むエリアを「市民会館跡地エリア」と位置づけ、まちの確かな未来を見据えてエリアの活用方法を検討するため、市民の皆さんとともにさまざまな取組みを実施してきました。

そして、新施設を多くの方に使っていただくことや、新施設がこれからの茨木のまちづくりの中心となることをめざし、特にソフト面では、市民の皆さんとの対話の中から生まれた跡地エリア活用のキーコンセプト「育てる広場(※)」を軸に取組みを進めています。

※「育てる広場」… 市民会館跡地エリアの活用については、皆さんが使いたくなるような「場」を行政が提供し、その「場」をどのように使い、活動し、変えていくかを皆さん自身が考えて、一緒に作り上げていく。というエリア活用を検討する際の共通した考え方です。

開館までの歩み

平成28年(2016年)市民アンケート
無作為抽出の市民5,000人を対象に「市民会館跡地活用に関するアンケート」を実施

市民会館100人会議
無作為抽出の市民の皆さんが、閉館した市民会館や跡地の活用をテーマに福岡市長と直接対話
平成29年(2017年)「茨木市市民会館跡地エリア活用基本構想」策定
市民の皆さんとの対話や議論を踏まえ、市民会館跡地及び跡地エリアの活用における基本方針、キーコンセプト「育てる広場」等を設定
平成30年(2018年)市民会館跡地エリア活用ワークショップ
『みんなで「育てる広場」をつくろう!』をテーマに、広場編・施設編の2種類のワークショップで皆さんの想いやアイディアを自由に出し合う

社会実験IBALAB(イバラボ)
市民会館跡地の人工台地(コンクリートの広場)にみんなで芝生を張って、こたつで過ごす、プラレール広場などさまざまな市民企画を実施

「茨木市市民会館跡地エリア活用基本計画」策定
基本構想の内容を具体化するものとして、ワークショップや社会実験などを踏まえて、施設機能やゾーニング、管理運営等について検討しまとめる
令和元年(2019年)暫定広場活用ワークショップ
解体した市民会館の跡地に整備する暫定広場で、どんなことがしたいか、なにがあればいいかをテーマに活発な意見交換を行う
令和2年(2020年)新施設・広場の設計施工事業者決定
竹中工務店・伊東豊雄建築設計事務所共同企業体による整備が決定

暫定広場「IBALAB@広場(イバラボ広場)」をオープン
新施設での市民の皆さんの活動を見据えた社会実験として、やりたいこととそのためのルールを市民の皆さんと一緒に考えて、自由に使える場としてオープン

カフェ「いばらきコモンファクトリー」オープン
広場の活用・運営の検証のため、IBALAB@広場にある防災倉庫のキッチンスペースにフードやドリンクを提供するカフェがオープン
令和3年(2021年)「茨木市市民会館跡地エリア(新施設・広場)管理運営計画」策定
跡地エリア活用検討の経過を踏まえて、新施設・広場において「育てる広場」を実現できるように、管理や運営の方針を策定

新施設工事着工
「立体的な公園」「日々何かが起こり、誰かと出会う」を設計コンセプトに建設工事がスタート
令和4年(2022年)「一般公募・市民投票を経て新施設・広場の名称を「おにクル」に決定
応募総数2,677件の中から、市民投票を経て「おにクル」に決定
令和5年(2023年)茨木市文化・子育て複合施設おにクル オープン
11月26日(日)開館記念イベント「つぎのイロドリ」を開催

※上記のほかにも、施設機能について市民がアイディアを出し合うワークショップや、開館後の市民・団体による活動を支援するためのコーディネーター養成講座など、「育てる広場」実現に向けた市民参加型の取組みを多数開催しています。